掲載日:2022年9月27日 更新日:2022年10月3日
この文章を読んでる貴方は、きっと軽自動車での運送業で独立するのは難しいんじゃないの?もしくは簡単に独立したら生活出来ないんじゃないの?そのように悩んでいませんか。
実は、独立するのも大きな難しさはありません。しかも売上の計算もとても明瞭でわかりやすいです。
なぜなら、軽自動車での運送業は独立するあたって、経験年数や実績を問われることはありません。自分の持っている軽自動車を運輸支局に登録すれば当日から仕事が出来ます。
私はいずれ何かしらの仕事で独立をしたいとずっと考えていました。その中で、大手の運送会社に配達員を業務委託する会社で『給料が良いから』と友人に紹介され一緒に働く事になりました。友人は1ヶ月くらいで辞めてしまいましたが、その会社の先輩社員が独立を考えている話を聞き様々なノウハウを教えてもらいました。
この記事ではその時に教えてもらった独立までの事務作業の内訳を余すところ無く伝えていきたいと思います。
この記事を読む事で独立までの道のりをわかりやすく伝えていきます。
1 運送業は成長産業
結論から言いますと、運送業全体の売上は右肩上がりで増えています。
主にAmazon、楽天などの通信販売での荷物がとても多くなっています。
しかし、その荷物を運ぶドライバー、運転手はむしろ減っている印象です。その運ぶ荷物は時間指定がされていたり、ポストに入れて良いと指定されている荷物が大きくてポストに入らなかったりします。
さらには配達できなかった荷物は不在票を入れて連絡を待ちますが、まずその連絡がさっぱり来なかったり、連絡が来てもその時間にまた不在だったりします。
置き配だったり、宅配ボックスががどんどん増えているとはいえ、まだまだ忙しい状況は変わっていません。
2 どういう人が向いているか
私が仕事をしている『配達』という仕事は運送業に当たると思います。
しかし、実際に仕事をしていると配達先がエンドユーザー(個人宅、会社や事務所の法人)に配達する場合に限っては接客業に当たると思います。
荷物を積んだり、運転する時間は非常に多いです。その時間は業務時間の半分以上を占めるため一見体力仕事だったり、運転のスキルが重要だったりすると思いがちですが、一番重要なのは配達先の受取人のことをどれだけ考えられるかということです。
確かに最大で30キロ未満の荷物を扱います。全く荷物が持てないのは困ります。しかし、重い荷物を持つというのはコツがあります。また遠くまで運ぶ時には台車が使えます。
また、運転が苦手な人も最初は慣れないところもありますが、3ヶ月もするとほとんど苦になりません。通勤で車を使っていたり、買い物、休日だけだが運転している人でも仕事には支障はありません。
しかし、配達先のお客様とのコミュニケーションがうまくできなかったり、連絡不足でミスをしやすい人はいつまでたっても配達能力が上がらない原因になっていきます。
それ故に接客業や営業の経験がある方が宅配には向いています。
3 どんな車がオススメか
私が仕事として営業しているのは貨物軽自動車運送業の登録をする必要があります。
では、実際にその貨物軽自動車運送業に登録するにはどのような車が向いているのか、解説していきたいと思います。
私がしてきたのはヤマト運輸、佐川急便、郵便局から業務委託で荷物を預かり、その荷物を配達員として配達する仕事です。実際に私は携わったことはありませんが、Amazon、楽天の自社での委託配達もそれに当たると思います。
私が主に配達してきた営業所では基本的には、閑散期で1日100個前後、7月、12月はどの営業所でも繁忙期に当たりますが、その時期で1日150個〜200個の配達は求められます。その荷物を2回〜3回に分けて積んで配達します。
それを踏まえた上で、買うべき車は軽自動車の中でもハイルーフの車をオススメしています。軽自動車を扱っているメーカーさんには必ずラインナップにあるはずです。ちなみに私はダイハツのハイゼットを愛用しています。
ハイルーフの軽自動車をオススメする理由は大きく2つあります。1つはより多くの荷物が積めるということ、2つ目は最大180センチ未満の扱いを求められるからです。サイズは縦横高さの合計のことです。180センチ未満のサイズの荷物とは、具体的に、ゴルフバック、スキー板、スノーボードだったりします。そのような荷物を扱う際にハイルーフの車はとても重宝します。実際には荷台のイスは全て倒し、荷物を立てたり、荷物が倒れても良いようにあらかじめ倒して配達します。
車の購入は、初めは中古車でも構いませんが、オススメは新車でマニュアル車です。
4 貨物軽自動車運送業の登録
気に入った車を見つけたら、いよいよその車を営業車として登録しましょう。ここでは簡単に説明します。詳しくは各記事で詳細を記載します。
登録は使用する車両を管轄する運輸支局に
- 貨物軽自動車運送事業経営届出書
- 運賃料金表
- 事業用自動車等連絡票
- 車検証のコピー
- 黒ナンバー取得の諸費用 1,500円程度
これらの書類等を提出します。前もって準備していれば、最短1日で手続きが完了します。
貨物軽自動車運送事業経営届出書
貨物自動車運送事業法第2条にある「他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業」の経営届出を行うための書類。
漢字の多い難しい書類名ですが、住所、連絡先や営業所(個人事業主は自宅でOK)のことの記載するだけです。内容は難しくありません。
ちなみに自身の屋号を聞かれると思います。開業届の提出の際にも聞かれる自分の会社名のようなものです。迷わないように決めておくようにしましょう。
運賃料金表
実際にその仕事で発生する運賃の料金詳細や適用方法をまとめた書類。
私はA4用紙に1個につきいくらの運賃がいただける予定か、また月に何個配達予定で、いくら振り込まれる予定かをまとめて提出しました。その後、その金額に対する追求はありませんので、極端な違いが無ければ大体でも問題ありません。
事業用自動車等連絡票
貨物自動車の使用者となる運送事業者が、運輸支局での申請が完了していることを証明する書類。
この書類も難しい内容はありません。車検証を少し写して記載する内容があります。しかし、こちらの書類は運輸局によって内容が違う場合があるようです。
詳しいことは管轄の運輸支局にお問い合わせください。
ちなみにこの段階で黒ナンバーが交付されます。ナンバープレートが新しくなっていますので任意保険を営業車用の保険に切り替える必要があります。自動車保険の代理店もしくは保険会社にその旨を事前に伝えてから走行してください。
5 経営届出書
車の登録が済みましたら、次に最寄りの税務署で個人事業主として開業手続きの「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。
原則として、この手続きは開業から1ヶ月以内に行う必要があります。忘れずに行うようにしましょう。この手続きも最短2〜3時間で終わります。
開業とは別件ですが、開業の特典として確定申告の青色申告という税制上のメリットを受けれますが、その登録もこのタイミングで申請になります。
私は白色申告で開業しています。詳しくは別の記事で後述します。
6 働くための準備一覧
貨物軽自動車運送業の登録と経営届出書の提出が終われば、個人事業主として軽自動車を使って営業が出来ます。
では改めて働くために必要な準備をまとめておきます。
- 普通自動車運転免許
- 軽自動車
- 車庫(駐車場)
- 営業所
- 各種社会保険
- 自賠責保険と任意保険
- 開業後にかかる各種諸費用
・普通自動車運転免許
持っていない場合は、免許取得の費用がかかります。取得済みでゴールド免許の場合は任意保険の割引が適用されることが多いです。
・軽自動車
新車で買う場合と中古車で買う場合で費用が異なりますが、オススメは新車での購入です。中古車で買った場合、結局のところ修理代等で経費がかさみますし、その修理している間は仕事ができません。黒ナンバーでの代車は任意保険の関係で貸してくれるところが見つかりません。結果、新車で買った方が経費がかからない場合が多いです。
・車庫(駐車場)
車庫は原則、営業所に併設することになっています。やむを得ず併設できず駐車場を借りた場合は経費がかかります。その場合の車庫は「営業所からの距離が2キロ以内であり、仕事で使用するすべてが収容できること」と規定されています。
・営業所
個人事業主として営業所登録する場合、自宅を営業所登録することをオススメします。自宅でかかる費用の一部を経費にできる可能性があるからです。(家事按分)
・各種社会保険
個人事業主として働く場合、国民健康保険、国民年金等の社会保険は個人で加入することになっています。
・自賠責保険と任意保険
車の購入の際に強制加入である自賠責保険の他に、営業車用の自動車損害保険への加入を強くオススメします。エンジンがかからなくなった、タイヤがパンクしてレッカーが必要になったなど、いざという時でも対応してくれる保険に入りましょう。私はJAFへの加入をしていません。(高速道路等の有料道路での走行が頻発する場合はJAFの対応がとても早いと聞きます)
・開業後にかかる諸経費
主にガソリン代ですが、全体の諸経費で月に10万円くらいの諸経費は経費として考えています。(各種任意保険、国民年金等を含む)詳細は別記事で後述します)
独立への事前準備 まとめ
独立すること自体はとても難しい印象があります。
準備するもの、開業までに必要なことをまとめておきます。
・運送業は成長産業です。どの営業所でも人は足りない状況です。
・配達は接客業だと思うことが大事です。
・準備する軽自動車は買う前にディーラーさんにオススメの黒ナンバーにできる車を聞いてみるものいいと思います。ディーラーさんが黒ナンバーにする手続きを手伝ってくれることもあります。
・貨物軽自動車運送業の登録はとても簡単で難しい内容のものはありません。ただ前もって準備しておかないと時間がかかる場合があるので、事前にある程度準備してから運輸支局に持っていきましょう。
・自分の屋号が決まると一段とやる気が出ます。
・税務署で個人事業主としての開業手続きは書類の提出のみです。
・どちらかというと年度末の確定申告の方が大変です。
・実際に働くための準備も、一般的に運転に必要なものを営業用に変えていくイメージです。
難しいものはありません。ですが、時間がかかるものもありますので、1つ1つ準備していきましょう。